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◎管理栄養士ブログ

熱中症を予防する食事と生活習慣

こんにちは。

梅雨明け前とは思えないほど暑い日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

この暑さで心配なのが熱中症です。

熱中症は一歩間違えれば命の危険が及ぶことがあります。

気温の高さや湿度の高さに身体が適応できないことで不調を招きますが、

生活習慣を整えたり食事の工夫をしたりすることで熱中症を予防することが出来ます。

 

今回は熱中症を予防する食事と生活習慣についてお話しいたします。

 

熱中症予防のために摂りたい栄養素

・ナトリウム

体内の水分と塩分のバランスを調節していて、発汗で失われるため

適度に補給をする必要があります。予防のためと塩分を摂りすぎると

塩分過多になるので、摂取量には気を付けて水分と一緒に補給する等、工夫をした補給が大切です。

不足すると、筋肉のけいれんや頭痛などの症状が現れることがあります。

 

・カリウム

浸透圧の調整や筋肉への神経伝達などの役割があり、ナトリウム同様発汗で失われやすい栄養素です。

不足すると、こむら返り(ふくらはぎ等の筋肉が急につる)や不整脈等の症状が現れることがあります。

 

・ビタミンC クエン酸

クエン酸には、疲労回復効果やナトリウム・カリウム等のミネラルの吸収を助ける

はたらきがあります。そのため、ミネラルと一緒に摂ることが望ましいです。

ビタミンCにも疲労回復効果がある他、メラニンの生成を抑制する効果があるため

熱中症予防だけでなく、紫外線によるシミ等が気になる方にもおすすめです。

 

・ビタミンB群

ビタミンB1には、糖質の代謝に関わるはたらきがあります。

アイスや冷たいジュースの摂取が増えがちな夏に不足しやすくなります。

不足することで疲れやすくなったり、だるくなったりする症状が現れることがあります。

また、ビタミンB6・B12には、神経伝達をサポートするはたらきがあるため

筋肉のけいれん等の熱中症で起こる症状を和らげたり、予防をする効果があります。

 

水分補給の注意点

熱中症による脱水を予防するために、こまめな水分補給はとても大切ですが

電解質(ナトリウムやカリウム)を含む飲料で水分補給をすることをおすすめします。

発汗により電解質が失われた状態で、水やお茶で水分補給をすると

かえって体液が薄まってしまい、熱中症を進行させてしまいます。

長時間屋外にいて発汗等が激しいときは、電解質や適度な糖分の含まれる

「経口補水液」や「スポーツドリンク」か、ミネラルを多く含む「麦茶」で水分補給をすることが望ましいです。

(スポーツドリンクは糖分を多く含むため、常飲は避けましょう)

 

熱中症予防におすすめの食品

◎水分補給が出来る食品

水分補給と栄養補給両方できる食材を食べることをおすすめします。

・きゅうり

きゅうりは水分が95%以上含まれています。

体を冷やす効果もあり、さっぱりしていて食べやすく食欲の落ちやすい

夏でも食べやすい食材です。

 

・トマト

トマトには水分が94%含まれています。

クエン酸が含まれているので疲労回復効果があり、疲れにくい体づくりに効果的です。

また、リコピンの抗酸化作用により熱中症のダメージ軽減が期待できます。

ビタミンCも含まれていますが、熱によってはたらきが弱まるのでビタミンCを摂取したい場合は

生のまま食べるのがおすすめです。

リコピンを摂取したい場合は、反対に加熱をして食べると吸収が良くなります。

 

・スイカ

スイカは水分が90%以上含まれています。

カリウムが豊富で、前述の効果の他にも摂りすぎた水分を排出するはたらきがあります。

また、スイカにはシトルリンという栄養素が含まれており

血流を促して、むくみをとるはたらきがあります。

 

◎たんぱく質を多く含む食品

たんぱく質には筋肉量を保つはたらきがあり、疲れにくい強い体をつくるために

大切な栄養素です。

熱中症予防に限らず、日頃から十分に摂取するようにしましょう。

・豚肉

たんぱく質は、肉類全般に多く含まれていますが

夏場は豚肉をチョイスすることをおすすめします。

豚肉には、たんぱく質が豊富に含まれているだけでなく

ビタミンB1が牛肉や鶏肉に比べて多く含まれているため、疲労回復効果等が期待できます。

また、ビタミンB1は玉ねぎやニンニク等のアリシンを含む食品と一緒に食べることで吸収が良くなります。

 

・納豆や豆腐などの大豆製品

大豆製品にも多くたんぱく質が含まれています。

大豆は「畑のお肉」とも呼ばれていますね。

食欲があまりない時でも、豆腐であれば食べやすく手軽に食べられます。

 

熱中症予防のための生活習慣

熱中症を予防するためには、食事内容だけでなく普段の生活習慣を整えることも大切です。

◎朝食欠食をしない

朝食を食べる時間がない、朝は食欲がない等様々な理由から

朝食を欠食してしまう人も多いのではないでしょうか?

睡眠中にも水分は奪われているため、朝食で失われた水分を補給することが大切です。

朝食を欠食したことによるエネルギー不足は、体力低下を招き熱中症のリスクを高めます。

おにぎりなど、簡単なもので良いので朝食べる習慣をつけましょう。

 

◎睡眠をしっかりとる

7~8時間のまとまった睡眠を取るよう心がけましょう。

夜間熱中症を防ぐために、エアコンなどの冷房機器を活用して室温を調整しましょう。

冷房機器の運転を途中で止める設定にしてしまうと、室温が上がってしまうため付けたままで

就寝することをおすすめします。

寝る前の水分補給も忘れずにしましょう。

 

◎暑い時期でも入浴を

暑さからシャワーで済ませてしまう人も多いかと思いますが、夏の時期は冷房に長時間あたっていたり

冷たい飲み物を頻回に飲んだりと体が冷えやすくなっています。

ぬるま湯で入浴をすることで血行を促進したり、自律神経が整うことで睡眠の質を高めることが出来ます。

入浴の前後にはしっかり水分補給をしましょう。

 

まだまだこれからが夏本番ですが、今のうちから予防と対策をすることで熱中症のリスクを抑えられます。

暑いときは無理して活動せずに、こまめな水分補給を挟みながら休憩をしてくださいね。

 

管理栄養士 室屋