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砂糖との上手な付き合い方
こんにちは。
はじめまして、今年度4月に入社いたしました管理栄養士の佐藤です。
暖かい風が肌に心地よい季節となりました。
春の陽気の中でのランチやピクニックなどは幸せな気持ちになりますね。
突然ですが、みなさんは砂糖にどのような印象をお持ちでしょうか?
「甘い」「お菓子」「おいしい」など様々ありますね。
それ以外にも虫歯や生活習慣病との関連性においても注目されています。
そんな砂糖はどのような特徴を持っているのでしょうか?
今回は砂糖の特徴を中心にお話ししていきます。
【砂糖の特徴】
砂糖は原料と製造方法で分類されます。
原料は甘蔗 (サトウキビ)とてん菜があり、
世界の砂糖の7~8割が甘蔗 から作られます。
製造方法では、結晶の取り出し方によって
「分蜜糖」と「含蜜糖」に分けられます。
・分蜜糖
分蜜糖は、原料からとれる糖液が結晶と糖蜜に分けて作られ、
上白糖やグラニュー糖などはこれに該当します。
・含蜜糖
含蜜糖は、糖液のまま濃縮し結晶を取り出して作られ、
黒砂糖や和三盆糖はこれに該当します。
また、砂糖には白いものと茶色いものがありますが、
その違いは「精製度」です。
砂糖は精製という工程を繰り返すことで、茶色から白色に変化します。
精製はより純粋なショ糖にするための工程であり、
ミネラルなどは失われてしまいます。
つまり、精製度の低い砂糖を選ぶことが、身体への思いやりと言えます。
【砂糖の1日あたりの目安量】
私たちの身近にある砂糖ですが、
世界保健機構(WHO)は成人1日あたりの摂取目安量を
‟25g”としています。
これは、糖類の摂取量が1日の摂取カロリーの5%に収まるように
設定されています。
1本5gのスティックシュガー5本分です。
では、私たちの身近な飲料には、どれほどの砂糖が含まれているのでしょうか。
これらの飲料には、目安量以上の砂糖が含まれているということが分かりますね。
ではこれらの半分量は飲んでよいのかというとそうでもありません。
その理由は、目安量は1日の食事すべてから摂取する量を指すからです。
料理にも砂糖を使いますし、間食のお菓子などにも砂糖は含まれています。
そのため、甘い飲料も量を考えて飲む必要があると言えます。
【砂糖の依存性】
身体に悪いと思っていても、甘いものをつい摂取しすぎてしまうことも
あるかと思います。
「間食を食べすぎてしまって、夕食が食べられない…」
なんて経験はありませんか?
それは砂糖の持つ依存性が原因です。
砂糖を摂取すると、「ドーパミン」というホルモンを
分泌させる刺激が起こります。
ドーパミンは幸せホルモンともいわれ、やる気・快感を
高める効果があります。
本来、一時の摂取であればドーパミン分泌は抑制され、
身体は新しい味を求めます。
しかし、砂糖の連続的な摂取によりドーパミンが過剰分泌し、
満足状態が継続します。
これが砂糖の依存性です。
【虫歯との関係は?】
甘い飲料にたくさん使われている砂糖ですが、
虫歯とはどのような関係があるのでしょうか。
まず虫歯とは、砂糖の主成分であるショ糖が
口腔内で酸となり歯を溶かした状態のことです。
ショ糖は、ブドウ糖と果糖から構成されています。
そして、ブドウ糖は虫歯菌のエネルギーになりやすく
果糖は虫歯菌が作る酸の素となります。
砂糖が虫歯を引き起こすと言われるのは、これが理由です。
【砂糖の長所】
砂糖の依存性や虫歯との関連についてお話をしたため、
砂糖に悪い印象をお持ちになった方が多いかと思います。
しかし、砂糖には下記のような長所もあります。
調理の面では、種類が豊富であることから
色を付けずに甘みを出したいときは上白糖やグラニュー糖など白い砂糖を、
色を付けたりコクや深みを出したいときは黒砂糖やきび砂糖などの茶色い砂糖を、
というように様々な工夫が出来ます。
また、エネルギーとしての吸収が速いという一面もあり
砂糖は長所もたくさんあると分かりますね。
【体を想った砂糖の選び方】
ここまで砂糖の長所と短所を挙げました。
・精製度が高い砂糖より、低い砂糖の方が体に優しいこと
・適量の摂取にとどめること
この2点が虫歯や生活習慣病を防ぐポイントとなります。
精製度が低い砂糖には、
・黒糖
・きび砂糖
・てんさい糖
などがあります。
砂糖の選び方以外にも
・間食の量を決めること
・食後の歯磨きを丁寧に行うこと
なども大切です。
食事を楽しみながら、身体に優しい食生活を心がけましょう。
管理栄養士 佐藤